
「絶対ワンチャンスあるねん」——。
仕事や家庭と両立しながら、本気でサッカーに取り組む社会人チーム「京都紫光クラブ」。
今回は、クラブ在籍16年の中田選手、11年の浅野選手、そして大学時代から紫光に関わり、現在5年目を迎える平尾選手にインタビューを実施しました。(MC:出原選手)
なぜ紫光を選び、なぜ今も紫光で本気でサッカーを続けるのか。
仕事や家庭との両立、若手とのポジション争い、一度離れたからこそ気づいたサッカーへの想い、そして紫光というチームへの愛情。
3人が語る、社会人アスリートとしてのリアルに迫ります。

(左から19番浅野裕也、16番平尾剛、14番中田顕斗)
■なぜ紫光を選んだのか
出原:顕斗くんは在籍16年、浅野くんは11年、剛は5年目になります。まずは皆さんが紫光に入ったきっかけを教えてください。
中田:僕は大学を卒業してから、仕事をしながらサッカーをやりたいなと思っていました。その時に立命館の先輩が紫光にいはったので、その人を頼って行ったのがきっかけです。
浅野:俺は前のチームを辞めて、次のチームを探していた時に、当時の紫光の監督が声をかけてくれたのがきっかけです。
平尾:僕は浪人して大学に入った時、紫光にいた兄貴の練習試合を見に行ったんです。
その頃はサッカーがうまくいっていなくて悩んでいた時期だったんですが、その試合で顕斗さんのプレーを見て衝撃を受けました。誰よりも走って、どこにでも顔を出していて、「こういうプレーがしたい!」と思ったのが入団のきっかけです。
昔、吉祥院のグラウンドで顕斗さんとずっとパスコンをやらせてもらったことがあるんですけど、「絶対ずらせへん」って、とんでもない緊張感でした(笑)。
■「仕事・家庭・サッカー」を両立してこその紫光クラブ
出原:皆さんは年齢を重ね、家庭や仕事がありながらも平日の練習をこなし、本気でサッカーを続けています。今もサッカーを続ける理由、その原動力は何ですか?
浅野:小さい頃はプロになりたくて頑張ってたけど、なれなくて。
専門学校を卒業してから、可能性は低くてもセレクションを受けて落ちて、実業団のチームに入ったんです。
そこが関西リーグで2回優勝して、地域決勝や入れ替え戦まで行くようなチームで。そこのOBには工場長になった人もいて、「仕事をしっかりして、サッカーでも結果を残す」のが当たり前の環境でした。
だから、やれば結果は出るっていう実感があるし、紫光でも全国大会に行って「こういう環境で頑張ってるんですよ」っていうのをアピールしたいのが本音ですね。
中田:僕の場合は、単純にサッカーが好きで、上手くなりたいからかな。
あとは純粋に人がいい。歴代のいろんな人がいて、その背中を見てきているから、このクラブ以外でプレーする選択肢は持っていないし、やれるところまでやりたい。
みんなのことを尊敬してるし、一生懸命やってるからこそ、なんとかついていきたいと思っています。
浅野:僕は今まで2回くらい休ませてもらってるけど、「仕事や家庭、サッカーを両立して初めての紫光」やと思ってるんです。それができひんと、俺も紫光でやる必要がないなって。
1回目は家庭との両立がうまくいかなくて休ませてもらったけど、その期間に嫁にも理解してもらいながら折り合いをつけて、またサッカーをやる時間ができたから復帰できたんです。
平尾:僕も「好きやから」っていうのが大きいです。
社会人になって1回サッカーから離れたことが、余計に「好き」を再認識させてくれました。
そんなに順風満帆なサッカー人生じゃなかったですし、同級生がどんどん辞めていく中で、自分が続けていくことで何かあるのかなと思っていました。
でも、顕斗さんや浅野さんの背中を見ているから、他のクラブじゃなくて紫光で頑張りたいって思う。それが大きな原動力になっています。

■絶対にチャンスは来る。その瞬間のために準備する
出原:特にベテランのお二人は僕が入った時から、欠かさず練習後に居残りトレーニングをされており、チーム全員の手本となっています。
年齢が上がってきても高い基準でやり続けられるモチベーションは何ですか?
浅野:大前提として、やっぱり試合に出たいから。
ひと回り以上違う若い奴とやるんやから、やらんと落ちるし勝てへん。
それに、ここに来た時に顕斗が凄まじく居残り練習をやってたんです。
「こいつがやってんのに俺がやらへんかったら」と思って、よりやるようになりましたね。
逆に、顕斗が何もせんと帰ったら「どうしたん?急ぎの用事あんのかな?」と思うくらい(笑)。
中田:僕は高校も大学もほとんど試合に出られなくて、悔しさがあったから人よりはやってきたけど、今もその延長かな。今の若い子らも基準が高いし、上手い選手も増えてきている。
そこについていくためにもやりたいし、「今日頑張って自分の限界まで行ったら、明日ちょっとは変わってるかもしれへん」と思ってやってます。
浅野:それに、ノーチャンスじゃない。絶対どっかでワンチャンスある。
そのチャンスを拾えるようにやってる。もしそこでちゃんと結果を出したら、俺が入れ替わることもある。
やらへんやつにはチャンスは絶対に来ないから、そのチャンスを掴むために今日も動いてる。
ミスったとしても、やってたことが良かったのか悪かったのかが分かるから、積み重ねですよね。これは仕事にも通じると思うし。

平尾:大学の時に一番変われたのは、お二人のようにベクトルを自分に向けつつ、チームにどれだけ還元できるかを行動で示す先輩たちの姿を見たからです。その背中を見て「もっとやらなあかんな」って常に思わされています。
出原:本当に刺激になります。
紫光には若くて能力の高い選手も増えていますが、その中でも長年第一線で戦い続けられている理由は、こうした日々の積み重ねにあるのだと改めて感じました。
■離れたからこそ分かった「サッカーがないと無理」という本音
出原:3人とも一度サッカーから離れた時期がありましたよね。
中田:35歳の時、1回区切りかなと思ってサッカーから離れて、ほかにちょっとやってみたい学びをしたいと思ったんです。
でも、いざ離れてみたら、「サッカーやっぱ、ないと無理やな」って気づいたんよね(笑)。
浅野:顕斗が辞めるって言った時、俺は「いや、絶対戻ってくる」って思ってた(笑)。
LINEで「いつでもポジション空いてるで」って送ったりしてな。
俺自身は、子どもが3人いて家庭との両立が難しかったから休ませてもらった時期があるけど、やっぱり紫光の試合は気になるし、サッカーを辞めるのは無理でしたね。
平尾:僕も社会人になるタイミングで一度離れたからこそ、改めてサッカーが好きやと分かりました。
戻ってきた時も、体制は変わっていたけど、大切にしているものは変わっていなかった。だから、やっぱり今の紫光が好きやなと思いました。
■サッカーの枠を超える成長の場。これからもチームのために。
出原:改めて、社会人チームとしての紫光の良さってどういうところだと思いますか?
浅野:仕事もバラバラで、学生もいれば留学する子もいる。
そういういろんな人が集まって、1つになった時のチーム力が経験できるのが新鮮で、すごい刺激をもらっています。人間関係の面でも経験できるのが紫光の良さですね。
平尾:サッカー以外の、人としての成長の幅を広げてもらえる環境があることですね。
それに「もう1回紫光でサッカーしたい、戻りたい」と思わせてくれる環境があるのは、すごくいいところだと思います。
中田:環境の面で言うと、昔は選手がリーグ運営や会議など、裏方の仕事をすることも多かった。
今はサッカーに集中できる環境を整えてもらっています。
でも、「みんなで協力してやる」っていうサッカー以外の部分を大事にする紫光の良さは、ちゃんと残ってる。
そこは大事にしていかなあかんところやと思います。
出原:今シーズンはメンバーの入れ替わりもありましたが、お二人が背中で示し続けてくれて、剛も行動で示してくれている。チームにとって本当に欠かせない存在だと思っています。
中田:剛の存在はでかいよ。ほんまに周りに気配りしまくってくれてるから。
平尾:それも多分、顕斗さんを見て学んだ部分がめっちゃ大きいですけどね(笑)。

出原:最後に、応援してくれる皆さんへ一言お願いします!
中田:チームのために、もうちょっとサッカー頑張るってくらいかな(笑)。
平尾:サッカーが与えられる影響力ってすごいと思うので、もっといろんな人に紫光を知って、見てほしいです。
浅野:仕事や学業をしながら本気でJを目指しているチームはなかなかないと思います。
最近は応援に来てもらって、試合後に挨拶できるのがすごくありがたいですし、その数をもっと増やせるように頑張っていきたいです。
現状に満足せず、関西リーグで勝つためにもっとやっていきます!
全員:ありがとうございました!
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■ 編集後記
中田選手、浅野選手、そして平尾選手の言葉から、「サッカーに対する純粋な愛情」と「妥協なき姿勢」が浮き彫りになりました。仕事や家庭という現実的な責任、年齢や体力という物理的制限と真摯に向き合いながらも、それを決して言い訳にせず、誰よりも高い熱量で練習・自主練に打ち込む姿は、まさに紫光の「熱源」と言えます。 その熱をチーム全員で燃やし、高め、さらに広めていけるよう、これからも挑戦を続けていきます。今後とも、京都紫光クラブへの熱い熱い応援をよろしくお願いいたします。 (広報:亀井)
■ クラブ公式Instagram:https://www.instagram.com/kyotoshikoclub/
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